私は、2013年1月からイギリスのシェフィールド大学というところに留学させていただいております。こちらのラボは、腫瘍内に出現するマクロファージの研究を主に行っている施設です。マクロファージは近年、腫瘍の血管新生を促進したり増殖因子を発現し予後不良因子として働くことはトピックなのですが、こちらでは、主にマウスモデルやゼブラフィッシュモデルを使用して研究をしております。渡英直後は、英語もしゃべれず先が思いやられる状況でしたが、現在では徐々にこちらでの生活も慣れてきました。また、6月から家族も合流したので寂しい一人暮らしから解放されました。
ラボでの生活は、現在主にポスドクの方についてマウス腫瘍内や骨髄内からのマクロファージの分離と培養、FACSと蛍光免疫染色、westernやRTPCRなどを用いたマクロファージの機能解析を教えていただいております。5月に実験動物のライセンスがとれたので、これから実験を本格的にしていければと思っているところです。
シェフィールドはイギリスでは5番目に大きな都市とのことですが、人口は約50万人とさほど多くはありません。観光地ではないために旅行雑誌にはまったくのっておりませんが、大学を中心に学園都市になっており多くの若者がおり活気があります。また、治安がイギリス国内でもっともよいと報告されたことがあるように、過ごしやすい場所です。ロンドンから北に電車で2時間半で、ちょうどイギリスのど真ん中に位置しており、北はエジンバラ、西にマンチェスターやリバプール、東にヨークやリーズといった観光地があり、これらへの電車のアクセスが非常に優れている便利な場所です。また国立公園のピークディストリクトはバスで20分ぐらいのところにあり、緑が多く美しい街だと感じております。
渡英前は多くの方々から英国の食事についてよい話がなかったのですが、パイやフィッシュアンドチップスといった比較的ジャンクフードに属するものも美味しくかなり満足しております。また、ビールもパブではエールを飲んでいる人が多く、日本で飲むラガービールとは異なりぬるくて甘めですが美味です。
イギリスに来てもっとも感銘をうけたのがやはりサッカーでしょうか。シェフィールドはマンチェスターに電車で一時間かからないところにあり、日本でも有名なマンチェスターユナイテッドを応援できるのではないかと期待しておりました。チケットは比較的容易に手に入れることが出来ましたので、早速行ってまいりました。8万人収容のスタジアムがほぼ満席で、地響きのような応援に度肝を抜かれて帰ってきました。香川選手が在籍していることもあり日本人の観客が結構来ていました。
福島県立医科大学産婦人科では、先代の佐藤教授の時代から多くの医局の先輩方が留学をしております。私も医師になったころから一度は留学してみたいと思っていたので、こんな貴重な経験をさせていただいていることに感謝しております。最後になりますが、送り出してくれた医局の先生方やスタッフの方々、暖かいお声をかけてくださった諸先生方に感謝申し上げます。 |
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